黒人男性暴行死から1カ月・・・警察解体で治安改善の街

黒人男性暴行死から1カ月・・・警察解体で治安改善の街

アメリカ・ミネソタ州で黒人の男性が白人の警察官から暴行を受けて死亡した事件から1カ月が経ちました。現場には、年齢や性別も、肌の色も関係なく、それぞれがそれぞれの思いを持って集まっていました。アメリカでは、今、警察への不信・反感が、これまでにないレベルに達しています。全米で抗議活動が続き、警察解体を訴える声も出ています。

アシュレイ・キノネスさんの夫は去年、警察官によって射殺されました。関わった警察官たちは、発砲の正当性が認められ、訴追されていません。キノネスさんは「警察は私たちの自由を奪い、嘘をつき、事実を隠蔽(いんぺい)した。その結果、私も13歳の息子も人生がすべて台無しにされた」と憤りを隠せません。

一方、ニュージャージー州・カムデンでは、警察と住民の関係が、他の場所と大きく異なります。住民との距離が近く、抗議デモの先頭を警察署長自らが歩くほどです。カムデンは、かつて殺人の発生率が全米平均の18倍に上るなど、最も危険な街の一つにランクイン。警察はというと、汚職がはびこり、強硬的な取り締まりも日常茶飯事でした。高まる批判に対し、行われたのが警察解体です。2012年、全警官・職員250人を解雇。全く別の警察組織を作り、新たに雇った人員には、これまでと違う教育を行いました。ポリシーは『地域に溶け込み、住民たちと顔見知りなること」です。カムデン群警察のザキーム・ジェームス警部は「私たちに欠かせないのは、危機を未然に防ぎ、普段から人として住民と向き合い、信頼関係を築くこと」と言います。2012年に比べ殺人事件は63%減り、治安も安定してきました。地元NPO代表のブライアン・モートンさんは「逮捕する時、警察官は『身分証明を出せ』と威圧的に来る。そういう力関係を変えることが肝心。つまり、最初の接し方を変えること。『やあ』とあいさつするだけでいい」と話す。