都の新指標を専門家が解説 5日連続で感染者50人超

都の新指標を専門家が解説 5日連続で感染者50人超

東京都では30日に新たに54人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。そして今、都内で食事をしたなど「東京由来」の感染が関東近郊に広がり始めています。東京都庁クラブから報告です。

 (社会部・前田万里奈記者報告)
 (Q.感染者数に関して30日が54人となり、これで5日連続で50人超えということになったが、都はこの数字をどのように受け止めているのか?)
 確かに5日連続で50人を上回っていますが、直近1週間の感染者数の3割から4割が夜の街の繁華街で確認されている人たちです。その多くが新宿エリアで感染が確認されていて、こうした人たちのなかにはホストクラブを中心に不安に感じた人たちが自主的に検査を受けているケースというのも相次いでいます。そうしたことから都は市中感染が広がっている状態ではなく、あくまで繁華街で感染が確認されている状態だという認識を示しています。
 (Q.そんななか、東京都は新たなモニタリング指標を発表するが、これまでの指標から変わっているのが新規陽性者における感染経路不明、これは今まで率だったのが人数に変更になったり、東京消防庁に寄せられた発熱の相談件数や救急搬送患者を地域の病院がどれほど受け入れられるかという項目を新たに追加して最終調整しているということだが、なぜこのように変更したのか?)
 今回の指標の一番の目的は医療提供体制を維持するためというものです。そのためにどのような項目を設けたらいいのかこれまで何回か会議を開いて模索してきました。今回、新たに追加された消防への相談件数や救急搬送の受け入れが困難な数がどういったものなのかがあります。この数字の伸びによって市中感染を捉えるきっかけになると都は考えています。そして、その数字の伸びと入院ができるキャパシティー、余力などを総合して判断できるようにしたということです。
 (Q.休業などを再び要請するための具体的な数値。その数値基準というのは設けない方針だというが、この背景にあるもの、裏側にあるものというのはどんな理由が考えられるのか?)
 まず感染者数の一日ごとで見ると、クラスターが確認された日というのはその日だけ数字が突出する場合があります。そうすると、感染者の数字がどういう状態なのかを検討するために今後は週に一度、専門家を集めた会議を行うとしています。そして、基準を示さない代わりにそれを都民に分かりやすく認知させるため会議の結果をコメントとして出すことも検討しているようです。また、休業要請については国の緊急事態宣言が再び行われた場合には専門家の意見踏まえて判断するということです。
 この新たな指標に関して専門家はどうみるのか。感染制御学が専門の東邦大学・小林寅てつ教授に聞きました。小林教授は医療提供体制をより正確に把握するための指標になっていると評価します。考えなければいけないのは医療現場の状況ということです。今は若年層の感染者が多く、医療は逼迫(ひっぱく)した状況にないということですが、今後、中高年層の割合が急激に増えて再びベッドが不足する恐れもあるといいます。もしもの時の受け皿を確保しておくためにもこの指標を注視し、引き続き感染拡大に警戒していく必要があると話していました。この指標に関しては小池都知事と西村経済再生担当大臣が会談し、その後、取材に応じるとみられます。