東京の新『モニタリング』指標は 専門家に聞く

東京の新『モニタリング』指標は 専門家に聞く

30日、東京都では54人の新型コロナウイルスの新規感染者が確認されました。5日連続で50人を超えています。神奈川県では31人の感染が確認。このうち、26人は横浜市の同じホストクラブに勤務しています。埼玉県では10人の感染が確認されていて、大野知事は「一番大きな感染ルートは東京由来だ」と話しました。現在の状況をどう捉えればいいのか、感染症学が専門の国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授に伺いました。

Q.東京を中心とした地域で、感染が広がっているように見えますが、どう分析しますか?
これまでは明らかに突出して東京の感染者数が多く、周りの感染者数はむしろ不自然なくらい少なかった。東京都との人の行き来がある状況において、周辺が少ないままでいられるはずがないと思います。そういう意味では、東京との関連のなかで、埼玉・千葉・神奈川でこれから感染者が増えてくることが十分あり得ると思います。今、多くの方が3~4月の状況よりは警戒しながら生活をしていると思いますので、今後、急激な感染者の増加はないかもしれません。ただ、感染者が減る要因はあまりなく、社会は増える方向に動いています。そういう意味では、これからじわじわと感染者が増えていって、長期化すれば一日200人ということもあるかもしれません。少なくとも100人くらいまでは、どこかのタイミングで上がり得る数だと思っています。

Q.医療現場は今どのような状況でしょうか?
5月ごろは外来で検査をしてもほとんど陽性者がいなかった。6月になると、入院患者数も減って、これでようやく一段落したという雰囲気が感じられました。ところが今、感染者も時々出るようになり、入院患者も増えてきていますので、医療現場からすると、増えているなということが実際感じられます。

Q.東京都の新たなモニタリング指標については、どう見ていますか?
医療現場を捉えるために新たな指標を取り入れ、『消防庁への相談件数』や『緊急搬送の受け入れ状況』を確認することは大事だと思います。ただ、これらは新型コロナウイルスに直接的に関わっている数字ではありませんので、医療状況をどこまで正確に把握できるかという課題はあると思います。

Q.都の新たなモニタリング指標では、休業などを再要請する数値は設けられませんでしたが、どうお考えですか?
どこかの項目が1つ基準を満たしたから、いきなりアラートを出してくれというような厳密なものを求めているわけではありません。ある程度、これぐらいを超えたら注意しなくてはいけないという数値を設定して頂ければ、一般の方々にとってもわかりやすい。また、休業要請を実際に出すかどうかは別の問題としても、目安があれば、自治体側も行動を取りやすくなります。そういう意味では、このまま数値なしで数だけを追っていって、対策が後手に回らないか心配になってきます。