共和党員の“トランプ離れ”・・・再選できる?秘策は?

共和党員の“トランプ離れ”・・・再選できる?秘策は?

大統領選まで3カ月。新型コロナウイルス感染拡大が深刻なアメリカでは、死者数はすでに15万人を超えました。感染者数は一日あたり数万人単位で増え続け、収束の兆しは見えていません。トランプ大統領は、専門家の慎重論を聞き流し、経済再開と外出禁止の解禁を急かしてきました。ただ、その対応に不満を持つ人は多くいます。共和党支持者も例外ではなく、政権の対応を不十分と考える人はこの5カ月で倍になりました。共和党支持者だったナンシーさんは、トランプ大統領のコロナ対策について不満を口にします。
 共和党支持者だったナンシーさん:「トランプ大統領の失策で、アメリカは世界最悪の感染国。予想通り感染者が大幅に増えたのに、トランプ自身や支持者に科学は通用しない。今の共和党は支持できないと思った。何としても、あの男を追い出さないと。私にとって今回の選挙は『トランプか、バイデンか』ではなく『トランプか、アメリカか』」
ナンシーさんの父親も共和党支持をやめたそうです。
 共和党支持者だったナンシーさん:「父はタルサでの集会を見て堪忍袋の緒が切れた。会場のいすには、対人間隔を空けるためのステッカーが貼ってあった。会場管理側が貼ったものだったが、トランプ大統領はスタッフにステッカーを剥がすよう命じた。ずっと共和党支持だった父にとって、それが決定打になった」
共和党の牙城であるテキサス州では感染者の増加とともに支持率の逆転が起きるなど、トランプ大統領の追い風になる要素は今の所ありません。こうしたなか、トランプ大統領は、自らの得票に不利とされている郵便投票に関して、大統領令で制限する可能性を示唆しました。
 トランプ大統領:「郵便局は大統領選に対応できない。全米での郵便投票は、国にとって、このうえない恥になる」

◆テレビ朝日のワシントン支局・布施哲支局長の報告です。

トランプ大統領ですが、もし今日、この日に選挙があれば、ほぼ確実に負ける状況にあります。勝利の方程式は、過激な主張でコア支持層を固める一方で、好調な経済を武器に、保守系の無党派層やヒスパニック票を取り込んで、僅差で勝利することです。しかし、新型コロナウイルスを甘くみて、経済の再開を急いだあまり、逆に感染を再拡大させてしまいました。頼みの経済も停滞したままです。これで、コア支持層のシニア層が離れてしまい、経済で取り込みたかったヒスパニック系もつかめていません。共和党の中の穏健派といわれる人や、保守系の無党派層の間でもトランプ離れが加速しています。元々、過激な主張ゆえに支持を拡大させる伸びしろが限られるトランプ大統領にとっては、コア支持層の一部が剥がれ始めているという現実は、非常に深刻だといえます。

※秘策はあるのでしょうか。
とにもかくにも、感染を収束させることがカギとなります。このことに気づいたトランプ大統領は、最近になって、ようやくコロナ対策に力を入れ始めました。例えば、これまで見向きもしなかったマスクをつけ始めたり、ワクチン開発の進捗をアピールしたりしています。しかし、有権者が問題視しているのは科学を軽視する態度と、死者が15万人以上に上っているという重い現実。一度、離れた人々の心をもう一度取り戻すには、例えば、全国民へのワクチン提供のめどが立ったなど、相当インパクトのある具体的な成果が必要となります。トランプ政権は現在1兆円を投じてワクチン開発を進めていますが、まさに11月に向けて、時間との戦いになってきています。