【1940アーカイブス】軍用犬も元気に出征

【1940アーカイブス】軍用犬も元気に出征

「祝出征」。のぼり旗を掲げた隊列が繁華街を行進する。沿道の百貨店の窓からは紙吹雪が舞い、日の丸の小旗を持った店員の顔が並ぶ。バンザイする人々の前を、犬たちを中心に据えた隊列は足早に進んでいく――。太平洋戦争や日中戦争のさなか、1939年に北海道小樽市で撮られた映像の一コマだ。
 こんな光景が記録されていたのは、朝日新聞社が戦前に制作した「軍用犬の出征」というタイトルの子ども向けニュース映画だ。ナレーションは犬たちをこう持ち上げた。
 「戦地で兵隊さんたちにまじってたくさんの手柄を立てている軍用犬。これは北海道のある街から出征した軍用犬たちの勇ましい姿です」
 戦前の小樽は北海道の交易や金融の拠点として栄え、銀行や商社などが軒を連ねていた。世界の金融センター・ニューヨークのウォール街をなぞり「北のウォール街」と呼ばれていた。
 パレードは、小樽の総鎮守で、いまも多くの祭事が執り行われる住吉神社を出発。国道や商店街を抜け、大勢の観衆が待つ目抜き通りの交差点を小樽駅に向けて左折するコースを取ったらしい。映像には当時の中心市街地のにぎわいが記録されている。